〈1999・9・1.2 日・ロ親善アイスホッケー交流試合 

コクド-アムールタイガー 

《八戸市新井田インドアリンク》 〉

             シーズン開幕まであと一ヶ月半。八戸にはもう秋の気配が濃い。
            新井田インドアリンクまで、八戸駅からはバスしか足がない。周
            囲は田園風景といってもいい。遠くの山まで、視界をさえぎる建物
            はない。東北の郊外のアリーナは、しかし立派な造りで、ホッケー
            を見る楽しさを満喫できた。
             受付でパンフレットを購入すると、「これはサービスです」と、
            99アジアカップ(2000年世界シニア選手権大会Aプール極東予選 
            9/3〜9/5)のパンフレットも渡された。この同じリンクで、ジャパ
            ンは中国・韓国と対戦する。
             コクドとアムールタイガーの対戦は、わずかな観客しかいないの
            がもったいないほど面白かった。アムールタイガーのロシアらしい
            早いパス回しに、コクドもきれいなホッケーで対抗する。日本代表
            チームに参加している選手や、主力となる外国人選手を欠いている
            ことを考えると、コクドの選手層の厚さを改めて実感した。
             コクドは9/1の第1戦は5-1、9/2の第2戦は8-0という圧倒的
            な点差で敗れたがホッケーの質が高いので試合は見ごたえがあっ
            た。
             久し振りのホッケー観戦の喜びにひたりながら出てきた通路には、
            出てくる選手にサインをもらおうとする子供たちが群がっていた。
            おそらく、地元のホッケーチームの子供たちではないかと思う。
            アリーナの出口で乗ったタクシーの運転手によれば、現地ではアイ
            スホッケーの少年チームは数多いということだった。彼自身も高校
            時代はアイスホッケー部に所属していたということで
            「明日(9/2)の試合は見に来ます」
            と言う。
             八戸での、シーズンを前にしたコクドのプレーが未来の名選手
            の目標となるのかもしれないな、と思ったら、何となく楽しかった。

            ●内山朋彦(FW)
             コクドの唯一の得点を挙げたのが内山朋彦だ。
             日本リーグ2年目だが、去年はカナダに留学していたので、実質
              的には初めてのシーズンを迎えることになる。
             練習中から目をひいたのは、スケーティングの速さだった。小
            柄な体が鋭く動く。試合が始まると、果敢にゴール前に飛び込む思
            いきりのよさで、そのスピードが効果的に生かされる。チェックも、
            ちょっと荒っぽく感じるほど強い。敵のパスを上手くインターセプ
            トする場面もあった。新人とは思えないほど、堂々と落ち着いたプ
            レーが頼もしい。
             1戦目のゴールは「嬉しかったです。初ゴールだったんで」との
            こと。レギュラー入りについては、シーズン開幕までまだ試合が続
            く現在の段階では「まだ分からない」そうだが、コクドの有望な新
            戦力であることは間違いないのではないだろうか。
              「体はいい感じです」ということだった。このまま順調にシーズ
            ンを迎えれば新横浜でも、内山のスピード溢れるプレーが見られ
            るはずだ。
 
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