■ロサンゼルスのホッケー

〈1999・1・19 コロラド・アバランチ―ロサンゼルス・キングス

《グレイト・ウェスタン・フォーラム》〉

                   special thanks to M
       ロサンゼルスの市内でまず目についたのは、黒・白・銀・紫色を
      使って、キングスのロゴが壁面いっぱいに書いてあるバスだった。
      最初はキングスの移動用のバスと勘違いしたが、それは単なる広告
      だった。キングスの新しいホームアリーナ、ステイプルス・センタ
      ーのオープン(1999年秋)に向けて、大がかりな宣伝がうたれ
      ているのだ。市内の歩道から上を見上げると、キングスのロゴを描
      いたフラッグが下がっている。
       グレイト・ウェスタン・フォーラムの周辺は、かなり雰囲気が悪
      かった。治安が悪いということはかねてから聞いてはいたが、それ
      が肌身で感じられる。
       客の入りも悪かった。昨日のダックスのホーム、アローヘッド・
      ポンドが、満員ではないにしても9割がた埋まっていたのに対し、
      6割ぐらいしか客席は埋まっていない。しかし、客層は華やかで、
      何故か美男美女のカップルが多かった。アローヘッド・ポンドには
      家族連れが多かったのと対照的だ。本当にホッケーを知っている客
      が多いようで、時には容赦ないブーイングが飛ぶ。しかし、一人で
      ポイントを稼ぎ、チームを引っ張っているウィング、リュク・ロバ
      タイユに対する、嵐のようなブーイングの理由は、どう考えても分
      からなかった。(今でも謎だ)
       キングスが5―4で強豪コロラド・アバランチに敗れるのを見届
      けて、アリーナの外に出た。フォーラムでは、ポンドと違い、観客
      を楽しませようというハリウッド的なサービス精神は感じられない。
      本当にホッケーを見たい客が来ればそれでいい、という方針なのだ
      ろう。ある意味ではクールともいえる、フォーラムの大人の雰囲気
      は、個人的には好きだ。デイリー・プログラムの表紙には、SER
      IOUS HOCKEY.SERIOUS FANS.とある。
       ただ、車を待っている短い間ですら恐いこの周辺の雰囲気が、客
      足が遠ざかっている一因ではないかと感じた。集客能力という意味
      では、ザ・ポンドが、エンターテイメントの街であるロスのプラス
      の面の恩恵を受けているのに対し、フォーラムは、治安が悪いとい
      うマイナスの面の影響を受けているのではないのだろうか。
       新アリーナは車から見ただけだが、フォーラムに較べれば周囲の
      雰囲気はかなり良かったように思う。新アリーナが、キングスの試
      合に客をもたらすと良いのだが。
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